転職エージェント・スクール・フリーランス案件の違いは? — 同じ比較表に並んでいる3つを分ける

ITエンジニアの転職サービスを調べると、「おすすめ15選」「徹底比較20社」という記事がいくつも出てきます。並んでいる会社の顔ぶれはどれもよく似ています。
ところが、その表に並んでいるものは同じ種類のサービスではありません。
- 求人を紹介する転職エージェント(求職者の費用は無料)
- 学習とセットのスクール(受講料が要るものがある)
- 雇用ではなく業務委託のフリーランス案件サイト
- 登録しておくと企業から連絡が来るスカウト・求人サイト
この4つが1つの表に混ざっています。受け取るものも、かかる費用も、結ぶ契約の形も違います。
この記事では、公式サイトのどこを見れば見分けられるかだけを書きます。どこが良いかは書きません。良し悪しは、いま自分が何を必要としているかで変わるからです。
なぜ混ざるのか
比較記事を書いている側から見ると、この4つは同じ「ITエンジニア転職」という検索語で読まれるものです。だから同じ表に入ります。
そして、混ざっていても記事としては成立してしまいます。「求人数」「サポート」「対応エリア」という列を作れば、スクールにもフリーランス案件サイトにも何かしら書けるからです。書ける以上、表は埋まります。
埋まった表は、読む人には「同じものの比較」に見えます。
見分け方1:求職者が払う費用が書いてあるか
いちばん確実な分かれ目はここです。
転職エージェントは、採用した企業から紹介手数料を受け取ります。だから求職者は無料です。公式サイトには「完全無料」「利用は無料」と書かれます。
スクールは、受講する人から受講料を受け取るものがあります。公式サイトに「受講料」「入学金」「一括◯◯円」「分割◯◯円/月」といった記載があれば、そちらです。
ただし無料のスクールもあります。企業からの採用手数料でまかなう形で、「完全無料」と書いてあります。この場合、費用の欄だけでは分かれません。次を見ます。
見分け方2:有料職業紹介事業の許可番号があるか
人に仕事を紹介する事業は、職業安定法により厚生労働大臣の許可が必要です。許可番号は「13-ユ-300000」のような形をしていて、公式サイトのフッターや会社概要に書かれるのが通例です。
紹介を行う会社には、この番号があります。
逆に、学習を提供するだけで紹介を行わないスクールには、この許可が要りません。だから番号がありません。
つまり:
| 番号 | 費用 | 読み方 |
|---|---|---|
| ある | 無料 | 転職エージェント |
| ある | 受講料あり | 研修とセットで紹介もする形 |
| ない | 受講料あり | 学習を提供するサービス |
| ない | 無料 | 紹介の形が公式サイトから読み取れない。登録前に確かめる |
「番号が見つからない」は「無い」という意味ではありません。こちらが見つけられなかっただけということがあります。ただ、見つけられない時点で、その情報は公開されていないのと同じです。
当サイトでは、掲載しているサービスの許可番号の記載状況を情報開示調査にまとめています。
見分け方3:契約が雇用か、業務委託か
フリーランス向けの案件サイトは、正社員の求人ではなく業務委託(準委任・請負)の案件を扱います。
公式サイトでは次のような言葉で書かれます。
- 「案件」(「求人」ではなく)
- 「稼働」「常駐」「週3日から」
- 「単価」「月額◯◯万円」(「年収」ではなく)
正社員として転職したい人にとっては、別の話です。逆に、いま会社員で独立を考えているなら、こちらを見ることになります。
同じ会社が両方をやっていることもあります。その場合、公式サイトはサービス名を分けています。名前が違えば、扱っているものも違います。
見分け方4:求人が登録前に見えるか
公式サイトに求人検索そのものが無いサービスがあります。登録して担当者と話すまで、どんな求人があるか分かりません。
これは良し悪しではありません。非公開求人を中心に扱っていればそうなります。ただ、「求人数」や「絞り込み条件」で比べることは構造上できません。
比較記事が「求人数◯◯件」と書いている場合、その数字が
- 正社員の公開求人の件数なのか
- 業務委託の案件数なのか
- 非公開を含む累計なのか
- IT以外の職種を含む全社の数字なのか
は、公式サイトを見ないと分かりません。当サイトの台帳では、この4つを分けて記録しています。同じ意味にならない数字は、比較の表に並べていません。
まとめ:先に決めるのは「どれを探しているか」
順番が逆になりがちです。「おすすめ◯選」を読んでから選ぶのではなく、先に自分がどれを探しているかを決めると、表の見え方が変わります。
- いま実務経験があって、正社員で移りたい → 転職エージェント
- 実務経験が無くて、まず身につけたい → スクール(費用の欄を必ず見る)
- 会社を離れて案件を受けたい → フリーランス案件サイト
- 急いでいないが声はかかってほしい → スカウト・求人サイト
当サイトの台帳では、掲載しているサービスをこの4つに分けて記録しています。分けられなかったものは「分けられなかった」と書いています。
判定は公式サイトの記述からこちらが行ったもので、会社が自称する区分と一致しない場合があります。そのため、各社のページには公式サイトの表記をそのまま載せ、確認日を付けています。
転職エージェントに当たるサービス(32社)
この記事で書いた条件に当てはまる社です。名称順で、おすすめ順ではありません。各社の公式表記と確認日は、社名のリンク先にあります。
「公式サイト」は各社のサイトに移動します。当サイトはこのリンク経由の登録で報酬を受け取ることがありますが、掲載順や記載内容は報酬で変えていません。