SESの給料を、求人票127件と公式サイトの開示だけで確かめる

更新日 2026-09-17(読者に見える文字が変わった日。数字の確認日は本文に)・誰がどう調べているか

台帳の数字は63社の公式サイトを読んで数えたものです(2026-09-14時点)。求人票の数字や、一般に言われていることの整理は、本文でそのつど出どころを書いています。

目次
  1. 先に結論
  2. 1. 求人票には「SESかどうか」の欄が無い
  3. 2. 職種別の提示額は出せる。ただし雇用の求人の額
  4. 3. 発注額と賃金の差が公開されるのは、派遣だけ
  5. 4. SESには、この開示の義務が無い
  6. 5. 台帳に出てくる「マージン」の書かれ方
  7. 給料の話から先に進むとき
  8. 確かめられること・確かめられないこと
  9. よくある質問
  10. 次に見るもの
  11. 近いことを書いた記事
  12. 次に見るところ

「SESの給料」を調べると平均年収の数字がいくつも出てきますが、その数字が何を母数にしたのかは、たいてい書かれていません。当サイトも、SESで働いている人の給料のデータは持っていません。高いか安いかも判定できません。

持っているのは2つだけです。転職サービスの公式サイトに出ていた求人票127件の提示額と、台帳63社の公式サイトに書いてあったことです。この記事は、その2つで確かめられる範囲だけを書きます。SESという契約の仕組みそのものはSESとは何かにあるので繰り返しません。

先に結論

知りたいこと 当サイトで確かめられたこと
SESの平均給料 持っていない。SESに在籍する人の給与のデータが無い
求人票の提示額でSESを見分けられるか 見分けられない。求人票は職種名で並んでいて、契約の形を示す欄が無い
発注額と給料の差 派遣なら公開されている社がある。法律で開示が決まっているため(原文を下に引用)
SESでも同じ差が分かるか 分からない。SESは準委任で、この開示の対象ではない
単価そのもの ほとんど公開されていない。台帳からは数えられなかった

この記事でいちばん確かめられたのは3行目です。そしてその裏返しが4行目になります。

1. 求人票には「SESかどうか」の欄が無い

当サイトの求人票は、1社(レバテックダイレクト)の公式サイトに出ていたもので、確認日は2026-08-22、件数は127件です。求人は職種名で並んでいて、契約の形を示す欄がありません。

つまり、求人票の提示額を「SESの給料」として読むことはできません。SESの求人とそれ以外の求人を分ける欄が無いので、比べようがないためです。

契約の形が書いてあるのは、職種名ではなく募集要項の雇用形態の欄です。ここは求人ごとに見るしかありません。

2. 職種別の提示額は出せる。ただし雇用の求人の額

SESで多いとされる職種の提示額です。これは雇用の求人の提示年収で、決まった年収でも、SESの給料でもありません。

職種 件数 下限の中央値 上限の中央値 幅
システムエンジニア 22件 475万円 800万円 300〜1,200万円
プログラマ 3件 420万円 600万円 400〜630万円
サーバーサイドエンジニア 11件 500万円 800万円 400〜1,500万円

件数の少ない職種は、1件で中央値が動きます。2件以上あった20職種の全体は職種別の年収レンジにあります。

3. 発注額と賃金の差が公開されるのは、派遣だけ

ここが、この記事で新しく確かめられたところです。

労働者派遣には、料金と賃金とマージン率を公開する義務があります。労働者派遣法の第23条第5項に定めがあり、対象の会社は公式サイトに数字を出しています。台帳の中では、IT転職エージェント@PRO人がこの開示を公式サイトに載せていました(原文のまま・確認日2026-09-08)。

同社は前置きとして「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第23条第5項の規定に従い、下記事業所における労働者派遣事業に係わる情報をお知らせいたします」と書いています。

開示されている項目 公式サイトの数字(原文)
労働者派遣に関する料金額の平均額(1日8時間当たり) 「23,300円/日(消費税抜き)」
派遣労働者の賃金額の平均額(1日8時間当たり) 「14,711円」
マージン率 「36.9%(消費税抜き)」

発注側が払う額と、働く人に渡る額の両方が、同じページに並んでいます。これが公開されるのは、法律で決まっているからです。

ただしマージン率の全部が会社の利益ではありません。同社は開示の最後に、マージン率に何が含まれるかも書いていました。

マージン率に含まれるもの 公式サイトの書き方(原文)
社会保険料 「雇用保険、厚生年金、健康保険、労災保険」
福利厚生費 「有給休暇、健康診断、社宅費用、確定拠出年金、サークル活動、親睦会、他」
教育研修費 「資格取得費用、講習受講費用、書籍購入費用等」

この数字は1社の、派遣事業についてのものです。ほかの会社の数字でも、SESの数字でもありません。同社は労働者派遣事業許可番号として「派13-305604」を出していました。

Midworksも公式サイトのフッターに「改正労働者派遣法に基づくマージン率の公開」という項目を置いていましたが、数字そのものは当サイトの控えに入っていません。

4. SESには、この開示の義務が無い

3の裏返しがここです。

SESは準委任契約で、労働者派遣ではありません。そのため、料金と賃金の差を公開する義務がありません。契約の形の違いはSESとは何かにまとめてあります。

つまり「SESの給料が単価の何割か」は、調べ方が無いのではなく、公開される仕組みが無いということです。台帳63社を読んでも、単価そのものを公開しているサービスはほとんどありませんでした。

登録前に確かめるなら、聞く相手は会社です。次の2つは、派遣であれば公開されている項目にあたります。

  • 客先への請求額と、自分の給与の関係をどう決めているか
  • 社会保険料・研修費として、どこまでが会社の負担か

5. 台帳に出てくる「マージン」の書かれ方

台帳の公式サイトには、利用者の声としてマージンに触れているものがありました。キャリアカンパニーに載っていた文です(原文のまま・確認日2026-08-22)。

「前職では監視→運用→構築と着実にステップアップできたものの、SESのマージンの高さで年収が頭打ちになっていました」

これは利用者の自己申告として公式サイトに載っているもので、当サイトが裏を取ったものではありません。同じことがどれくらい起きているかも分かりません。

レバテックダイレクトは求人の説明で「高還元率」「代理店や多重下請けを挟まず、名だたる大手企業と直接取引している点が大きな強みです」と書いていました。売り文句として書かれているということは、挟まる形があると業界側も見ているということです。これは書き方から読めることで、当サイトが段数を数えたものではありません。

給料の話から先に進むとき

いまの状況 台帳から
実務経験があり、条件の違う求人を探したい 経験者向けの転職サービス(20社)
発注する側に回りたい 社内SEの求人を扱うサービス(17社)
雇用ではない契約を見てみたい フリーランス案件のサービス(23社)

給料が低いと感じる理由の分け方はエンジニアの給料が安すぎると感じるときにまとめました。

確かめられること・確かめられないこと

確かめられること

  • 求人票127件の職種名と提示額(1社の公式サイト・確認日2026-08-22)
  • 台帳63社の公式サイトに、派遣のマージン率の開示と、単価や還元率の書き方がどう載っているか(読んだURLと確認日は各社のページ)

確かめられないこと

  • SESで働いている人の給料。データを持っていません
  • SESの単価と給与の比率。公開の仕組みが無く、台帳からも数えられませんでした
  • 引用したマージン率が、ほかの会社にも当てはまるか。1社の、派遣事業についての数字です
  • 利用者の声が、どれくらい一般的か

よくある質問

SESの給料はいくらですか

当サイトには判定できません。SESに在籍する人の給与のデータを持っていないためです。求人票127件は雇用の求人の提示年収で、契約の形を示す欄が無いので、SESの給料として読むことはできません。

SESの単価と給料の差はどれくらいですか

公開される仕組みがありません。労働者派遣には料金と賃金とマージン率の開示義務がありますが、SESは準委任なので対象外です。台帳でも単価を公開しているサービスはほとんどありませんでした。

マージン率が高いと、給料が低いということですか

そうとは限りません。台帳で開示を出していた社は、マージン率に社会保険料・福利厚生費・教育研修費が含まれると書いていました。全部が会社の利益ではありません。

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