「SESはやめとけ」の中身を、1つずつ確かめる

更新日 2026-09-25(読者に見える文字が変わった日。数字の確認日は本文に)・誰がどう調べているか

台帳の数字は63社の公式サイトを読んで数えたものです(2026-09-14時点)。求人票の数字や、一般に言われていることの整理は、本文でそのつど出どころを書いています。

目次
  1. 先に結論
  2. 1. 「客先常駐になる」
  3. 2. 「年収が上がらない」
  4. 3. 「スキルが身につかない」
  5. 4. 「抜け出せない」
  6. この記事で確かめられなかったこと
  7. 次に見るもの
  8. 近いことを書いた記事
  9. 次に見るところ

「SESはやめとけ」は、言っている人が指しているものがバラバラです。契約の形の話をしている人と、年収の話をしている人と、任される仕事の話をしている人が、同じ言葉を使っています。

ここでは4つに分けて、1つずつ確かめます。当方が数えられるものは数字を出し、数えられないものは「確かめられない」と書きます。

先に結論

言われること 確かめた結果
客先常駐になる 契約の形としてはそのとおり。ただし常駐かどうかは会社ごとに違い、公式サイトに書いている社は少ない
年収が上がらない 求人票では、システムエンジニアの提示額は低いほう。ただし同じ職種名で上限800万円以上の求人もあり、幅が大きい
スキルが身につかない 確かめられない。求人票に「何を任されるか」は書かれていない
抜け出せない 確かめられない。ただし抜けた先として名乗っているサービスは数えられる

数字で見られたのは年収だけです。残りは「そういう現場もある」としか言えません。

1. 「客先常駐になる」

これは契約の形の話で、そのとおりです。SES(システムエンジニアリングサービス)は、技術者の稼働を提供する契約なので、働く場所が客先になることがあります。

問題は、「SESの会社かどうか」と「常駐かどうか」が同じではないことです。

当方の台帳63社のうち、公式サイトで客先常駐について何か書いていたのは5社だけでした。書き方は分かれます。

書き方 社数
自社の案件が常駐中心 1社
常駐が無いことを売りにしている 2社
用語として説明しているだけ 1社
勤務地の説明で触れているだけ 1社

残りの58社は、常駐について何も書いていません。書いていない=常駐が無い、ではありません。当方が確かめられなかった、という意味です。

「常駐が無いことを売りにしている」社が2社あるというのは、裏を返せば常駐が避けられる条件だと、その会社自身が思っているということです。ただしそれは2社がそう考えているという事実であって、常駐が良い悪いの証拠ではありません。

2. 「年収が上がらない」

求人票の提示額だけは、数字で見られます。

転職サービスの公式サイトに実際に出ていた求人票127件を、職種別に数えました。SESで多いとされるシステムエンジニアとプログラマは、こうなっています。出どころは1社(レバテックダイレクト)の公式サイトだけです。ほかの会社の求人票は入っていません。「転職サービス全体の相場」ではありません。

職種 求人数 中央の帯 幅
システムエンジニア 22件 475〜800万円 300〜1,200万円
プログラマ 3件 420〜600万円 400〜630万円
(参考)社内SE 2件 520〜807万円 400〜1,064万円
(参考)ITアーキテクト 2件 999〜1,999万円 999〜1,999万円

2件以上あった20職種の中で、システムエンジニアの上限の中央値は800万円です。ただし同じシステムエンジニアでも、下限300万円の求人から上限1,200万円の求人まで散らばっていて、職種名だけでは決まりません。

ただしこの数字には限界が3つあります。

  • 1つの転職サービスの求人票しか数えていません。募集している額であって、いま働いている人の額ではありません
  • 求人票に「SESかどうか」は書かれていません。職種名で数えているだけです
  • プログラマは3件、社内SEは2件しかありません。この件数で職種の相場は語れません

「SESだから低い」を確かめる数字ではありません。求人票に「SESかどうか」が無いので、SESとそれ以外を分けて比べられないためです。

3. 「スキルが身につかない」

確かめられません。

理由ははっきりしていて、求人票に「何を任されるか」が書かれていないからです。「システムエンジニア」「開発エンジニア」という職種名と、使う言語やフレームワークまでは書いてあっても、設計から任されるのか、決まった手順を実行するのかは、求人票からは読めません。

ここを数字で語っている記事があれば、その数字の出どころを見てください。当方は数えられませんでした。

4. 「抜け出せない」

抜け出せるかどうかは確かめられません。ただし、抜けた先として名乗っているサービスは数えられます。

台帳63社の種別は、こうなっています。

種別 社数
転職エージェント 33社
スクール 23社
フリーランス案件 23社
スカウト 3社

同じ「エンジニアの転職サービス」の中に、受け取るものが違うものが混ざっています。SESから動くときに見る先は、だいたいこの3つに分かれます。

  • 正社員として別の会社へ移る … 転職エージェント
  • 業務委託として案件を受ける … フリーランス案件
  • 先に学び直してから動く … スクール(受講料が要るものと無料のものが混ざります)

どれが向くかはいまの経験で変わります。経験者向けのサービスと未経験から入れるサービスは、名乗っている条件が違うので分けてあります。

この記事で確かめられなかったこと

  • 夜勤・待機の有無 … 求人票に書かれていません
  • 多重下請けの段数 … 公式サイトからは分かりません
  • 単価と給与の差 … 当方は単価のデータを持っていません
  • 常駐先での評価のされ方 … 数えようがありません

「SESはやめとけ」の中で、当方が数字で答えられたのは年収の1つだけです。残りは、そう言っている人が何を見てそう言ったのかを、こちらでは確かめられません。

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